(殿下、がんばって……!)
ライオネルのことだ、両親が見学に来ていても、それで緊張したりはしないだろうが、彼が朝から体調が悪かったこともあり、エイミーは自分の番以上に緊張しながら婚約者の後ろ姿を見つめた。
両手を胸の前で組んで、無事に終わりますようにと祈っていると、指揮者の合図でライオネルが伴奏をはじめる。
軽やかな滑り出し。
最初から難易度の高い伴奏だが、ライオネルは平然と弾いているように見える。
「殿下、本当に上手ね」
「もちろんよ、殿下のピアノは最高だもの」
エイミーは自分のことのように胸を張って、長めの前奏を感情豊かに引き上げるライオネルにうっとりした――そのときだった。
不意に、ピアノの演奏がぴたりと止まった。
「どうしたのかしら?」
不自然に止まったピアノに、シンシアが眉を顰める。
エイミーは舞台袖のカーテンをぎゅっとつかんで身を乗り出した。
(殿下?)
エイミーがかたずを飲んで見守る中、ライオネルの体がぐらりと傾く。
「っ!」
ライオネルが椅子から転がり落ち、それと同時に、ピアノの上に置かれていた陶器人形が落ちてパリンと音を立てて割れた。
「殿下‼」
エイミーは悲鳴を上げて、舞台袖から飛び出した。
ライオネルのことだ、両親が見学に来ていても、それで緊張したりはしないだろうが、彼が朝から体調が悪かったこともあり、エイミーは自分の番以上に緊張しながら婚約者の後ろ姿を見つめた。
両手を胸の前で組んで、無事に終わりますようにと祈っていると、指揮者の合図でライオネルが伴奏をはじめる。
軽やかな滑り出し。
最初から難易度の高い伴奏だが、ライオネルは平然と弾いているように見える。
「殿下、本当に上手ね」
「もちろんよ、殿下のピアノは最高だもの」
エイミーは自分のことのように胸を張って、長めの前奏を感情豊かに引き上げるライオネルにうっとりした――そのときだった。
不意に、ピアノの演奏がぴたりと止まった。
「どうしたのかしら?」
不自然に止まったピアノに、シンシアが眉を顰める。
エイミーは舞台袖のカーテンをぎゅっとつかんで身を乗り出した。
(殿下?)
エイミーがかたずを飲んで見守る中、ライオネルの体がぐらりと傾く。
「っ!」
ライオネルが椅子から転がり落ち、それと同時に、ピアノの上に置かれていた陶器人形が落ちてパリンと音を立てて割れた。
「殿下‼」
エイミーは悲鳴を上げて、舞台袖から飛び出した。


