王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

「殿下、女の子に乱暴なことをしたらダメですよー」

 見かねたウォルターが口を挟んだが、近づいてこないところを見ると、助けてくれる気はないらしい。

 シーツがはぎとられて隠れる場所を失ったエイミーは、ベッドの上でご飯中のモモンガのように丸まった。

 ライオネルがベッドの上に両手をついて、エイミーに覆いかぶさる。

「覚えているのかいないのかどっちだ!」

「お、お、お、覚えてます……」

 蚊の鳴くような声で答えると、ライオネルが安堵の表情になってエイミーから離れてくれる。

「そうか、ならいい」

 いや、全然よくない。

 エイミーはさらに混乱した。

 確かに屋上での出来事なら覚えている。


 しかしあれが夢ではなく現実なのだとしたら、エイミーの脳の処理能力をはるかに超える出来事だ。