「殿下、エイミー様とどうなりたいんですか?」

「…………わかっているなら聞くな」

「ダメですよ、殿下。臣下との意思疎通が狂えば、周りが混乱しますからね。そういうことはきちんと口に出して伝えないと」

(くそっ、こういうときだけそういうことを言う!)

 ライオネルは最後の抵抗とばかりに残ったサンドイッチをもそもそと食べて、それから長い長いため息を吐きだした。

「………………エイミーと、別れたくない」

 長く長く沈黙して、最後にぼそりとつぶやけば、ウォルターがまた笑いだす。

「よくできました」

 なんだかものすごく馬鹿にされているような気がして、ムカッとしたライオネルは、ウォルターの手から昼食用のパンをもう一つ奪い取ったのだった。