王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

☆☆☆

(殿下がおかしいわ……)

 誕生日パーティーの日から三日。

 エイミーはついにその結論にたどり着いた。

 この三日混乱しすぎて冷静に物事を判断できなかったが、ようやく理解できた。――ライオネルが、おかしい。

 だってこの三日、毎日お昼にはエイミーの教室にやって来て、エイミーを問答無用でカフェテリアに連行していくのだ。

 これにはシンシアも目を丸くして「殿下ってばどうしちゃったのかしら?」と言っている。

 だが、「どうしちゃったのかしら」と一番言いたいのはエイミーの方だった。

 あれほどエイミーから逃げ回っていたライオネルが、自分からエイミーに近づいてくるのだ。

(とにかくよくわからないけど、このままだとよくない気がするわ)

 エイミーはライオネルに別れを告げたはずだ。

 それなのにいまだに婚約解消の書類について何も言ってこないし、誕生日パーティーの日の話そのものがなかったかのようにふるまわれている。

 あんなにあんなに、勇気を振り絞って、ずきずきと痛い胸を抑えて別れを告げたのに、いったいこれはどういうことだろう。