王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

 ああ、これで終わりなんだなって。

 きっとこれは義務なんだろうなって。

 さよならのかわりなんだと思うと、頭の中がぐちゃぐちゃになってすごくすごく悲しくなった。

 ギィっと、ブランコを漕ぐ。

 誰もいない温室でブランコを揺らしながら、エイミーは感情が落ち着くのをひたすら待った。

 温室の中で何度も笑う練習をしてから、長く息を吐いて立ち上がる。

 いつまでも温室に一人でいたら、スージーが心配して探しに来るだろう。

 そろそろダイニングもお開きになっているはずなので、エイミーももう戻って、お風呂に入って寝なくてはいけない。明日も学校があるからだ。

 温室を出て、すぐ隣にある邸に入ると、ダイニングはすでにほとんどが片付けられていた。

「ああエイミー、殿下は?」

「さっきお帰りになりましたよ」

「そうなのか。お見送りできなかったな……」

 父が残念そうにそう言った後で、エイミーの頬に残る涙の後に気がついたのか、ぐっと眉を寄せた。