王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

 パーティーも終盤に差し掛かって、ライオネルはエイミーに誘われて邸の庭にある温室へやって来た。

 温室には大きなブランコと、それからティータイムを楽しむためにテーブルセットが置かれている。

 今日のパーティーでは温室を使う予定がなかったからか、飾り付けられてはいなかった。

 温室のガラス張りの天井からは月明かりが差し込んでいて、温室の中を青白く照らしている。

 光魔術で灯りを灯そうかと考えたが、月明かりがあまりにも幻想的で美しかったので、ライオネルは魔術を使うのをやめた。エイミーも同じ考えなのか、魔術を使って灯りをつける気配はない。

 月の青白い光と、それから暗くインクで描いたような影を落とす草木、そしてその中に浮かび上がるテーブルセットの白と、明るいブラウンのブランコ。

 二人座っても余裕な大きなブランコの上には、マカロンのような可愛らしい丸いクッションが二つ並べられている。

 エイミーは吸い寄せられるようにブランコに近づいていくと、クッションを一つ抱え持ってブランコに座った。

 エイミーが座ったので、ライオネルも白い椅子に腰かける。