王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

 形式だけ整えられた、中身のない薄っぺらいもの。

 ライオネルは祝いを言われるたびに人形のような笑みで礼を言って回るだけで、ちっとも楽しいとは思えなかった。

 父と母を含め、果たして自分の誕生日を本当の意味で祝っている人間は、この中に何人いるだろうかと、馬鹿馬鹿しい思いでにぎやかで華やかなパーティーを傍観していた。

 エイミーだけは毎年やかましいくらいに騒ぎ立てて、しつこく「おめでとうございます!」と繰り返していたが、ライオネルの誕生日を祝っている人間なんて、それこそうるさいエイミーただ一人だけなのではないかと、今でも思う。

 そのくらい、ライオネルの誕生日パーティーは薄っぺらいものだった。

 それに比べて、エイミーの誕生日パーティーは毎年とても温かい。

 温かい、気がする。

 それは、集まっている人間の誰もが――それこそ使用人までもが、エイミーの誕生日を心から祝福しているからだろう。

(……まあ、王族なんてそんなものだ。王子に生まれたんだから仕方がない)

 エイミーが楽しそうに笑っている。

 ライオネルの目には、なんだかエイミーの笑顔が、キラキラと、まるでダイヤモンドを散りばめたシャンデリアのように輝いて見えた。