ライオネルは毎年何かしらのプレゼントをくれる。

 だがそれらは、城の宝物庫から適当に選んできたものだということをエイミーは知っていた。それも、ライオネル自身が選んだのではなく、侍従に命じて適当に用意させたものだということを。

 思い返せば婚約してからもらったライオネルからの誕生日プレゼントは、すべて彼自身ではなく他人が選んだものだ。

 ライオネルが贈った、けれども彼以外の人間が選んだプレゼントを嬉しそうに身にまとうエイミーを見て、彼は何を思っていただろうか。

 エイミーはこれまでの自分がひどく滑稽に思えてきたが、しかしそれをスージーに言えるはずもない。

(殿下、今日も来てくれるって言っていたわよね)

 エイミーのことが大嫌いなのに、ライオネルは毎年誕生日パーティーに来てくれる。

 誕生日プレゼントを差し出して、ぶっきらぼうに「おめでとう」と言ってくれるのだ。

 エイミーはそれが嬉しくて嬉しくてたまらなかったけれど、ライオネルにしてみたら嫌で嫌で仕方がなかっただろう。