王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

☆☆☆

「エイミー⁉」

 シンシアの悲鳴が青い空に吸い込まれていった。

 エイミーの艶やかな金髪は一瞬にして泥にまみれ、ぼとっと頭の上から泥の塊が滑り落ちる。

 幸い、足元に気をとられたときだったので顔にはかからなかったが、ねっとりとまとわりつく泥の感触に、エイミーはぱちぱちと目をしばたたいた。

「あー……」

 ぼんやりしていて、油断していたらしい。

 移動教室のために中庭を歩いていたエイミーは、空から降って来た泥で汚れた教科書を見て、へにょんと眉尻を下げた。

 いつもは避けられたのに――今日に限って泥とはついてない。