王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

「ほら、寝ていないと悪化しますよ。学校は今日はお休みしなさい。いいですね?」

「エイミー、先生の言う通りだぞ」

「そうよ、あなたが引くくらいだもの、きっと大変な風邪なのよ」

 滅多に風邪を引かないエイミーが風邪を引いたと、両親がエイミーの枕元でおろおろしている。

「いえ、普通の風邪ですよ」

 おじいちゃん先生がやれやれと苦笑して、薬の入った袋をスージーに手渡した。

「今日の夜にもう一度様子を見に来ます。一日ベッドから出さないように。お嬢ちゃんは昔からじっとしておくのが苦手なんでね」

「先生、わたしはもう小さな子供じゃ……くしゅっ」

「この状態で歌の練習と言い出すあたり、昔と変わっとらんでしょうが」

 そうは言うが、ライオネルがわざわざ時間を割いてくれているのだ。

 それでなくとも昨日のエイミーは心ここにあらずで早々に帰宅してしまった。きっとライオネルは怒っているに違いない。だから今日は挽回したかったのに。