王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

「……ねえスージー」

「なんですか?」

「『嫌い』が『好き』に変わることって、ないのかしら」

「……え?」

 スージーはシャボンを泡立てるのをやめて、エイミーの顔を覗き込んだ。

「殿下に何か言われたんですか?」

「……ううん。いつも通りよ」

 そう、いつも通りのはずだ。だってライオネルはエイミーにいつも「嫌い」と言うから。

(いつも通り……のはずなのよ)

 何も変わらない。変わらないはずなのに――、この胸の痛みは本当に何なのだろうか。

 何でもないわと言うと、スージーは少しだけ躊躇いを見せながら、再びエイミーの髪を洗いだした。