王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

(嫌いって言われることなんて、珍しいことじゃないのに……)

 今日、カフェテリアで言われた「嫌い」。

 どうしてかあの言葉が、野ばらの棘のように胸に深く刺さって抜けない。

 嫌いなんて、いつも言われているのに。

 ライオネルがエイミーのことを嫌いなんて、知っているのに。

 それなのに今日のあの言葉は、いつもと違う響きを持ってエイミーの心に突き刺さった。

(十一年前に、ここに落とし穴を掘らなかったら、もしかしたら殿下はわたしに『好き』をくれたのかな)

 ふと、考えても仕方のないことが頭の中をよぎる。

 エイミーはそっとその場にしゃがみこんで、濡れた芝生に触れた。