王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~

「なあ、今日のモモンガはどこか変じゃなかったか?」

「と言いますと?」

「……笑わなかったんだ」

 ケビンはティーセットを片付ける手を止めた。

 そしてまじまじとライオネルを見つめて、苦笑するような、かすかな笑みを浮かべる。

「そうですか」

「あいつが俺の前で笑わなかったことなどはじめてだ」

「そうかもしれませんね」

「やはり体調が――」

「殿下」

 ケビンはそっとライオネルの足元にひざを折った。

 そして、顔を覗き込むようにして言う。