身長差25㌢の、私と彼。


「よかったー!これで帰れるー!ありがとう、結城くん。」


私がホッとしてそう言うと結城くんは「どういたしまして。」と言ってフッと笑った。


笑った顔に、またドキッとさせられる。


結城くんのこと、今までずっと怖いと思っとったけど、目線が合えば、そうでもないのかも?


この短時間で、結城くんの意外な面を知った気がする。

彼の後ろについてエスカレーターに乗り、その広い背中を見つめながら、そう思った。


ホームに戻り、次に到着した博多行の新幹線に2人で乗り込む。


時間帯がよかったのか、自由席はほどよく空いていて、ちょうど2人がけの席もいくつか空いている。


「そこ空いてる。」と言われたので、その座席に体を入れると、結城くんが私のキャリーバッグをひょいと抱えて、すぐ上の荷物棚に載せてくれた。


ありがと、と御礼を言った後、新幹線のブザーが鳴り、ドアが閉まる音がした。


発車したので、窓側の座席に腰掛ける。


そして…