「れ、蓮くん!起きてっ!」
そう言うと。
ゆっくり目を開けた結城くんが嬉しそうに微笑んだ。
そして。
「おはよ、理咲。」
ニッと口角を上げて今日イチ、いい顔をする。
いつも怖いと思ってた結城くんが、めちゃくちゃ無邪気に、笑った。
かああっ、顔が熱くなる。
し、しかもっ…
な、名前…!呼び捨て…!
嬉しそうにしている結城くんの笑顔にドキドキさせられながら、「お、降りるよっ!」と言って立ち上がり、通路側に出る。
すると、寝起きだったからか、足元がちょっとふらついた。
「っと。」
私の隣で、荷物棚から荷物を降ろそうとしていた結城くんが私の様子に気付き、咄嗟に腕を伸ばしてくれた。
そのまま私の体は、彼の腕に優しく抱き留められる。
「ご、ごめ…!」
バッ!と結城くんの腕から離れると「積極的だな」なんて言いながら、結城くんがニヤついてる。
「わ、わざとじゃないもん!」
慌てて私がそう言うと。
「そ?ざーんねん。」
なんて言いながら、私のそばにキャリーケースを置いてくれた。
「ま、いつでも抱きついてくれていいからな。俺は。」
「そそそそんなこと、しませんっ!…あ、そう言えば!」



