身長差25㌢の、私と彼。


『まもなく、終点、博多です─』


博多、というフレーズが聞こえてきて、反射的に目を覚ました。


いつの間にか眠ってしまったみたい。



そして…



気付いたら、私は結城くんの肩に、結城くんは私の頭に、それぞれ頭をもたせ合ったまま、眠ってしまっていたみたい。


内心、慌てながらも、ゆっくりと結城くんから上半身を離す。


結城くんは、目をつむったまま、傾けていた体を真っすぐに戻している。


「ゆ、結城くん。起きて。もうすぐ着くよ。」


そう言いながらそっと結城くんの肩を叩いてみる。



…起きない。



「結城くんっ」


もう一度肩を叩きながらそう言うと。


やっと起きたようで、薄目で私の方を見たけど、すぐに目を閉じてしまう。


そして。


「…名前で呼んでもらえないと、俺は起きませーーん。」


やっと口を開いたと思ったら、とんでもないことを言う。


「なっ…!ね、寝ぼけてないで起きてよ!」


「寝ぼけてない。『蓮くん♡起きて♡』って、名前で呼んで、起こして。」


は、はいーー!?

なんか、語尾にハートマークまでついてるような気がするっ!


どうしようかとあたふたしているうちに、博多駅のホームに着いて、乗客がどんどん降車していく。



あっという間に周りの人たちは降りてしまって、車両の中は私たち2人だけになってしまった。



…もう、どうにでもなれっ!