「それにしても、そんなに身長低いの嫌なのなんで?加野屋さん、何センチだっけ?ちなみに俺は178センチ。」
「う…153センチです…。」
「そっか。まぁ確かに平均より低いけど、なんでそんなに嫌なん?」
「だって…モデルさんが着てるような服を着ても、ちんちくりんになるし、だからって頑張ってヒール高い靴履いたら足痛くなるし…」
「別に頑張らんでいいやん。加野屋さんには加野屋さんの良さがあるんやけん、それを活かせばいいと思うけど。」
「私の良さって?」
「あるやん。加野屋さんのいいとこ。」
「そうかなー?身長低いと困ることばっかなんやけど…。服もそうやけど、高いとこにある荷物取れないし、人混みの中では埋もれるし。」
「まぁ不便さはあるとして…」
そこまで言った結城くんは、目線を逸してからボソッと呟くように言った。
「…可愛いやん。加野屋さん。」
「へっ!?」
可愛いという言葉に反応して、顔がボッ!と熱くなる。
「えぇっとぉ…」
「……」
「……」
なんと返していいのか分からず、なんとなく私も結城くんの顔を見れずに目を逸してしまう。



