溶けたラムネ入りの炭酸ジュースは、美味しくない。


「そんな単純な言葉でも、認めてくれたみたいで嬉しいです」

「こんなんでいいのか」

ちょっと苦笑いしながら答えてしまった。

「まず、先輩に面白いって思わせることが、第1の難関ですね。私、頑張ります!先輩の心動かせるように」

「書く気になってくれて嬉しいよ、引き出せたなら」

「先輩のおかげです!」

そういう胡桃は、重そうに小説の入った買い物かごを抱えていた。

「重そうだな、僕が持とうか?」


「ありがとうございます、でも大丈夫です。気の利く人は、言う前に持ってくれるらしいですよ」


「なにそれ、言葉足りないやばいやつじゃないの?」

「かっこいい人はみんなそうって、大学の講義の空き時間に知らない女の子たちが話し合ってました」


「せめて持とうか?じゃなくても、持つよぐらい言う人の方が、かっこいいと思う。僕がいうのもなんだけど、勝手に持って奪ってくやつは、正直何考えてるのかわかんないから、離れた方がいいと思うね」


「確かにそれもあるかもしれないですね、私は会話ちゃんとできる人の方が好きですね、だいたい口があるのに、言葉を喋らず空気読めって方が無理だと思うんです。おかしいと思いませんか?口ってかざりでしたっけ?」

「言いたいことはわかるよ。僕も同じようなこと思ったことある」

「やっぱり先輩なら、わかってくれると思ってました、どうしようもないひねくれた所が、私と少し似てます、いや、かなり」

そう言いながら微笑む胡桃は、また明るい元気な女の子に見えた。

さっきまでの暗い雰囲気が消えたみたいで、よかった。

ほっといたらさらに悩んでそうで少し心配だったな。