「そうですよ、ちょっと期待して連れてきただけなのに、よくそういうの読み取れますね、わたしには難しいです。そこまで踏み込んでくるだなんて、たった一日で、学校にいる誰よりも、私のこと知ってますよ、先輩」
そんなに教えてもらっただろうか。
いや、そういえば大学でも友達いないって言ってたな、なんて、今思い出すのは性格悪いだろうか僕は。
「胡桃が、期待した答えはあったのか」
「ありましたよ、見抜かれてました、先輩を連れてきたのは、ある意味正解でした。私の事変えてくれるのは、私の事嫌わずにいてくれそうなのは、やっぱり先輩で間違いなかったです」
「嫌いになるって、そんな嫌いになる部分ないだろ、あったか?そんなとこ」
「もう一つだけ、いいですか。また重たいかもしれないんですけど」
「今更何も気にしなくていいよ、嫌いになることないだろうし」
「先輩のその穏やかな心が羨ましいです。私が高校の時、文芸部だったんですけどね。小説書いて投稿してるって言ったら、あるひとりの女の子が、バカにしてきて、言い合いになったんです。それから、その女の子どうしたと思いますか?クラスが同じだからって、他の子に言いふらしたんですよ」
「なんだよそれ、いじめじゃねえか…」
「私、結構しんどかったんですよ、高校時代」



