星空には月が欠け、淡い光が海面に揺れていた。
海辺の町では、波の音と風の匂いが心地よく漂い、夜風がやさしく二人の男女の髪をそっと撫でた。



「月っていつも欠けてるけど、それでもすっごく綺麗!」
「愛もそうじゃないかな〜」

「欠けるからこそ、満ちるんじゃないかな」


あの日、月が欠ける夜。ふと彼女が口にした言葉。

「普通」をモットーにしていた俺を変えたのは、
他の誰でもない、君だったんだ____