左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる



お金ないのか……


「いつもの友達と昼ごはん食べないの?」



「一緒には食べないんだ、俺、金がないからみんなと同じもん食ってたら金がなくなる」



「部活が夕方からあるのに?」



「ん〜練習前にパン1個は食べる」


さっきの200円がパン代か……



さくらは右手で左手小指のピンキーリングをギュッと握った。


話す勇気をください




誘っていいかな……




「ねぇ、これから午後の授業あるの?」



「いや、部室で時間潰そうかと……」



「えっと、私もまだ食べてなくて、昨日カレー作って余ってるんだけど食べる?」



「カレー!?大好物」




「じゃあ、うちに来る?あっ、変なことは考えないでね」



「わかった……」



歩きだけど大丈夫?と声をかけて、全然平気と返ってきた。



誘っちゃった。


大胆だったかな……



最近まともに食ってなくてさーと話しかけてくれる。


案外人見知りしない人なんだ。


なんなら遥海くんの話が緊張であまりはいってきてない私……深呼吸、深呼吸