左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる



春に来たときなら多分右小指を選んでいたと思う。


でも自分でチャンスを掴みたいと左小指に合わせてもらったのだ。


直しは必要なくてその日に持って帰れる事になった。



家に帰ると左小指にピンキーリングをはめた。



バイトも楽しかったし、これからも週末はバイトを続けるようにした。



夏休みが終わりもうすぐ遥海くんに会える……


とりあえず1度は話せるのだ。


恋までは望まないけど、仲良くなれますように……



来週から始まる後期が楽しみだった。





1週間が過ぎ、後期の授業が始まった。



「あれ、さくら、可愛い指輪じゃん?」



「ありがとう、バイト代で初めてアクセサリー買ったの」



教室で同じ授業を取っている舞子(まいこ)はすぐ仲良くなれた友達だ。



舞子はいつも綺麗にお化粧もしていてオシャレが大好きなのだ。



舞子は可愛いタイプで私とは正反対だし、モテる。


舞子も、いやいやさくらもモテるでしょと言ってくれるが私はもっぱら女子にモテていた。


バレンタインには女の子の後輩からのチョコだけだった。


背が高くてショートカット、男子には自分より背の高い女子なんて嫌だろうな〜なんてまともに男子と話したことはなかった。




舞子は遥海くんのグループの女子に静かにして欲しいと言った後に舞子が話しかけてくれて、私も言いたかったと言ってくれて、そこから仲良くなった。



遥海くんの取り巻き女子の事があってからはなるべく離れて座るように早めに教室に入ることにしていたので遥海くんと話したのはカフェが初めてだったのだ。



授業が終わると遥海くんが私の前にやって来た。



前に会った時よりも髪の毛は伸びている。



昼休みにバスケ部の部室にこれる?と聞かれた。




「部室は行ったことないからどこかわからない」と答えると「じゃあ、体育館」



「わかった」と返事をすると「じゃあ」と出口で待っていた友達と合流して教室を出ていった。