左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる



体育館はやっぱり肌寒くトイレに行って戻ってくると誰かが怪我をしていた。



遥海くん!?



選手が集まっていてよく見えないけど、シューズが遥海くんのに見えるのだ。



高校の時のでそろそろ変えなきゃと話していたところだったのだ。



滑り出したとも話していた。



遥海くんと目が合った。



そして外にと指を指したから体育館から出た。



「大丈夫?」



「いや、多分靭帯」


「え?」



「荷物持ってくるから待ってて」




さくらは頷いた。



先輩らしき人が体育館から出てきた。



「あれ?遥海は?」



「あっ、荷物を取りに行きました」



「遥海の彼女?」



「いえ、たまたま見に来ていて、同じゼミの友達です」



「来たら、1度中に入ってきてって伝えてくれる?」



「はい」



しばらくするとびっこをひきながら遥海くんがゆっくり歩いてきた。



中に入ってきてと告げると遥海くんの荷物を持って待った。




出てくると、とりあえず帰るかと遥海くんは私の家に向かってくれた。




「何か食べたいものある?」



遥海くんが聞いてくれた。


あっ、食事……


「足痛いでしょ、作るよ」



「痛くはないんだよ、力が入らないだけ」




明らかに声のテンションは低い……



「さくらとご飯に行きたかったのに、悪いな」



「大丈夫だよ」




さくらの家に着くとシャワーを浴びさせてもらった。




出てくると「え、ハンバーグじゃん」とすぐ嬉しそうな笑顔になった。



「たくさん作って冷凍しておくのよ、でも付け合せが今日はなくて……ポテサラでも下で買ってこようかな」




「充分だよ米とハンバーグがあれば」



「そう?じゃあご飯はもうすぐ炊けるから私もシャワーしてくるね」