左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる



「そうだ、もうすぐ実家からお米が届くの、精米しなくちゃいけなくて、その時に手伝って欲しいかな」



「いいよ、重いもんな」



「お米わけてあげるよ」



「え?」



「本当はね、遥海くんの体の事を考えたら毎日でも作ってあげたいけど、遥海くんに悪いなって思われたくないのね、私、昨日みたいに世話好きの性格が出ちゃうの」



「まあ、俺もここは居心地いいけど、さくらに迷惑かけるかもって思わなくはない、彼女でもないしな」




彼女……



「それは、彼女ならいいって事なの?」



「えっ、どうだろ」



遥海くんも考え始めた。




「元カノの時はどうだったの?」



「あ〜元カノね……」



「言いたくないならいいよ、ごめん」



「さくらはわかってくれると思うんだけどさ、帰省する時間も金もないのに会いたいって勝手に来てさ、昼休憩で店行ったら勝手に怒って別れるって……」




「そうだったんだね」




「卒業の時に別れたかったんだよ、でも遊びに行くし邪魔はしないからって春には言ってたのに、わかんねぇ」



「あれからは連絡ないの?」




「ない……友達から聞くには自分が振ったことにしたかったみたいだな」



「どういうこと?」




「春に俺が別れようって言ったから振られたことになるじゃん?」



「あぁ、なるほど」



女のプライドなのかな




「今日さ、バイト休みなんだよ」




「そう」




「連続勤務はダメだから水曜日がバイト休みなんだ」



「うん」



「もう少しさくらの事知りたい、部活見に来ない?終わったら食事してさぁ、バイト代が入ったから奢るし」



「部活が、遥海くんのプレイが見れるの?」



さくらは前のめりになって聞く。




「うん、体育館の2階で見れるよ」


「見たい!」



しばらく話して、部活に行くために2人はマンションから出た。