左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる



「これ、使って」



下のコンビニで下着と歯ブラシを買ってきていたのを渡した。



「いいの?ここから大学行って」



「いいよ、だってその方が近いでしょ?」



「サンキュ」




遥海くんがシャワーをしている間にさくらも支度をした。



2人は一緒にマンションを出た。



コンビニに置いていた自転車を押して2人で歩いて大学に行く。




「さくら、連絡先教えて」



「あっ、うん」




大学に着くと自転車を置いて部室に寄ってから教室に行くと言ったので門で別れた。




「おはよう、舞子」



先に来ていた舞子に声をかける。




「おはよう」



「ねぇ、3限休講になってたよ」



「本当?じゃあ今日はこの授業だけか〜」



「そうね」



さくらのLINEが鳴った。




“3限休講だって、部活まで暇〜、遊ぼ“




遥海くん!?




「さくら、どっかランチ行く?」



舞子から誘われた。




「私、昨日寝不足だから今日は寝るかな、ごめんね、また行こう」




「わかった〜」



ごめんね、舞子……



遥海くんのLINEには“いいけど“と返した。




しばらくすると遥海くんのグループが教室に入ってきた。




「3限何する?」


「遥海は?」




会話が聞こえる。



「カラオケでも行く?」と女子からお誘いをされている。




「うーん、パス、自主練するわ」




「真面目かよ(笑)」


「真面目だよ(笑)」




遥海くんの声を聞きながらさくらは左小指の指輪を触っていた。


私を優先してくれるんだ。




授業が終わりさくらは教室を出て携帯を見ると、何にもメッセージは来てなかった。




どうするんだろう……



とりあえず門に向かった。




歩いていると携帯が鳴った。



“1度家に帰ってからさくらの家に行ってもいい?“



部活の準備があるか、昨日帰ってないしね。



昼何食べようかな〜OKのスタンプを返して家に帰った。