「佐野くん、起きて」
「うーん……」
さくらは朝食を用意して遥海くんを起こしに来た。
「熱は下がったかな」
おでこのシートをゆっくりはがして体温計を脇に挟む。
ピピッと音がなり見ると36度と表示されていた。
良かった……
「佐野くん、朝ごはんだよ、佐野くん?」
朝弱いのかな、いつもより睡眠時間は多いはず
「……名前呼んでくれないと起きない」
「え?嘘でしょ」
「本当」
「もう起きてるのに?」
「もっかい寝る」
長い腕がさくらを引っ張りこんだ。
遥海くんに抱きしめられている……
さくらは真っ赤になり逃げようとするが
「無理だよ、俺の力には敵わない、ほら、遥海くんて」
「は、遥海くん」
さくらは恥ずかしくて遥海くんの胸に顔をつけた。
「恥ずかしい」
「さくらって可愛い名前だよな」
私の頭をなでてくれた。
「こんなでっかい私を女の子扱いしないでよ」
「何で?さくらは美人だし可愛いよ、言ったじゃん、顔覚えてたって」
「そうだけど……う〜、もう、ご飯食べようよ」
「わかった」
遥海くんは腕を離してくれた。



