「この前、俺の出てる雑誌を抱きながら寝てて、その時に遥海くんて言った(笑)気持ちよさそうに寝てたから悪いと思ったけど起こさず帰ったけどな」
「……ごめんなさい」
「全然、名前で呼んでいいよ、何なら呼び捨てでも」
「無理無理、佐野くんは憧れだから……」
「憧れ?」
「私達の高校もインターハイに出場していてね、決勝戦での佐野くんの活躍を見て本当に凄くてカッコよくて、思い出すだけで涙が出ちゃう」
言っちゃった……
「そっか、見てくれてたんだな、素直に嬉しいな」
遥海くんは着替えると背伸びをして欠伸をしていた。
「ベッド使っていいよ、明日2限からだよね?」
「うん、いいの?」
「うん」
「じゃあ」と言うと私の腕も引っ張られた。
えっ、えっ……
「ベッドがデカイから2人で寝れるよね」と言うと布団に連れ込まれた。
後ろから腰に手を回されておやすみと聞こえた。
近いよ……
「ねむ……い」
スースーと寝息が聞こえると腕をゆっくりと離して冷蔵庫からおでこのシートを持ってきてゆっくり貼った。
「んっ」と顔を歪めたが起きることはなかった。
私も寝ようとベッドに横になった。
予備の布団がないから、仕方ないよね……



