左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる



そんな事を考えていたけどあれから何も無く10日が過ぎた。




佐野くんの集団は相変わらずうるさいから遥海〜って名前は聞こえるからゼミには来ているようだ。


前から遥海くんの声はあまり聞こえなくて話を積極的にしている様子はないようだ。



舞子といつも奥の前の方に席を取るので後ろを振り返ることも無く授業が終わると入り口近くの後ろの席に座る遥海くんのグループはすぐ教室を後にする。



ある日「さくら、今日学食行かない?」舞子に誘われて学食に久しぶりに行った。



いつもは家に帰るか、構内のカフェが多いんだけど、舞子ががっつり食べたい気分なのと言うから……



舞子はカツ丼を私は生姜焼き定食を注文した。



学食も安いのに遥海くんは食べないのか……



少し離れた所に遥海くんがいつもいるグループの男子2人がお昼を食べていた。



「遥海、熱出したって大丈夫かなぁ」

「昨日からしんどそうだったよな、全部寝てたし」


「でも部活行ったんだろうな、遥海の事だから」



えっ?

食べ終えた食器を下げに行くと後ろから遥海くんの友達も食器を下げに来ていて話が聞こえたのだ。



舞子に行こうと言われてそのまま学食を出た。



「今日、佐野くん休んでたんだね、取り巻きの女子が静かだったはずね」




舞子も聞こえてたんだ……



そうねと私は返した。



その日の夜、ふっと目が覚めた。



スマホを開けると夜中の1時だ。



中途半端に目が覚めちゃったな、アイスが食べたいと携帯を握りしめて下のコンビニに向かった。