左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる


リビングでノートを写すことに……



前期も成績良くなくてさぁなんて話をしながら写していく遥海くん。



プリンターあるから前期の分もコピーしてあげるよとさくらは自分の部屋でコピーを始めた。



しばらくしてリビングに戻ると遥海くんは机に頭をつけて寝ていた。




深夜バイトで寝てないんだろうなぁ……



話してみてわかったけど、どういう生活してんだろう。


助けてあげたいけど……


何ができるんだろう……




さくらは遥海くんが脱いでいたジャージの上着を肩にかけてしばらく寝さす事にした。




さくらは自分の部屋で雑誌を見返していた。




高校時代の遥海くんが載っている雑誌だ。


今の方が痩せてるのかな、これから体を作らなきゃいけないんじゃないの?




クシュン!


遥海は自分のくしゃみで目を覚ました。



ジャージ、かけてくれたのか……



遥海は立ち上がるとさくらを探した。




確かこの部屋……



軽くノックをしたが返事がない。



そっとドアを開けてみると本を抱えて寝ているさくらがいた。



「……遥海くん」



えっ?俺?



さくらに近づくと去年の雑誌の特集を抱いていた。


「寝言か……」



俺の特集?……えっ、俺の事知っててくれたんだ。



遥海は真っ赤になった。



やばい、嬉しい……



遥海はそっと部屋を出て行った。





あっ、寝てた……

さくらは目覚めるとリビングへ行った。



あれ?遥海くん、いない……



テーブルの上には大学ノートの切れ端が置かれていて、ありがとう、部活に行ってくる、あとカレー美味かったとメッセージが残されてあった。



起こさなきゃと思ってたのに、自分が寝てしまうなんて……




無意識に左手の小指を触っていた。



自分でもドキドキした、遥海くんを部屋に誘ってしまうなんて……



また話せるかな?