「ふぅ…………。コンビネーションのいい訓練になったんじゃないか?」
「そぉだねぇ」
「うむ!」
「いーんじゃない?」
「…………ん」
天原家跡に降り立ち、スッキリした顔をするイケメン達。
いい汗かいた、じゃないからね。
「私の家………」
襲撃は一度で収まらず、騒ぎを聞きつけた受験者や恨みをもつ者達が次から次へと押し寄せてきたものだから、家は修復し始めたそばから破壊の限りを尽くされた。
外への被害は、響の結界と、途中から結界に加勢してくれたスサノオノミコトのおかげで無かったが。
それで、コンビネーションのいい訓練ですって?
直りかけた家を木っ端微塵に吹き飛ばし更地にしたのは、コンビネーションではなく個人技だと思います。
しかも更地では収まらず。
「オオクニヌシの建てた家だよぉ。大丈夫大丈夫」
なんて、雷地は軽く言うが。
そのセリフ、何回目でしょうか。
小一時間たった今も、修復がされないんですが。
「私の家………」
「壊れたラジオかよ」
誰のせいだと!
ぎっと同盟者を睨みつける。
気の弱い私だって、怒る時はビシッと怒るんだからね。
「ど真ん中の地割れ………!」
「地面って、斬れるもんなんだな」
先輩は、底の見えない地面に向けて素振りした。
ヒュと鋭い音をたてて発生した風刃が、崖をなおも削る。
十中八九、地下稽古場も潰された。
「ストーンヘンジのように突き立った岩………!」
「新しい家造りは任せろ!」
常磐は、新しく大きな岩を召喚し、積み木のように乗せる。
原始人の暮らしをする気でしょうか。
現代風石造りの城なんて言い訳は聞きません。
「鮮血のついたアイアンメイデン………!」
「剣だけじゃ芸がないよねぇ」
雷地は、トゲトゲのついた首輪を出してみせた。
内側にも棘のついたそれは、誰につけるつもりですか?
やめて、振り回さないで、これ自体が鈍器ですってか。
「巨大ウツボのよだれで池ができているんですが………!?」
「ボクと響の合作だよー」
「………新しい罠に加えよう」
柚珠は、頬を染めて恥ずかしそうに首を振る。
響は、沸騰したように泡立つ池の水を操って水路を作り始めた。
進行方向にいたバッタが巻き込まれて、ジュッと音を立てて溶けた。
溶解液………。
「どこを目指してるんですか………」
悪びれもせず答えるものだから、なんと言ったらいいかわからなくなる。
ため息しか出てこない。
「あはははっ。これを直すのはオオクニヌシでは荷が重いだろうねぇ」
ツクヨミさん、あなたまでバカにしたように笑うのですね………。
「イカネさんに言いつけてやる」
「私にだけあたりが強くないかい!? オモイカネの出る幕はないから! ええ、ええ。私に任せれば万事おーけー。だから喚ばないで!」
腹の底から出た低めの声に、私が本気であることを感じたのか、ツクヨミノミコトは早口で縋ってきた。


