まじないの召喚師3



「ツクヨミノミコト」



鈴を転がすような可憐な声が、騒音の室内に響いた。



「………オモイカネ、居たんだ…………」



「うふふ。主様の呼び出しに応じ、参上しました」



「まったくこの子は、いつの間に腕を上げたんだろう」



「それでこそ我が主君というもの。さあ、その身体を返しなさい」



「んー。でも私には、こいつらの口止めという任務があるんだよ。オモイカネは月海の秘密がバレたままでいいのかい?」



「それは、月海さんが決めることですわ」



「だそうだよ、月海。言ってやってよ、あいつらを片付けろって」



身体は乗っ取られたまま、私は口だけを動かす。



「隠し通さなきゃいけないってことはないと思う。いやあの、隠し通せるならそれに越したことはないんだけど、難しいのは分かってるし。ただ、面倒なことになりたくないだけで、秘密にしてくれるなら……」



私の辿々しい、的を射ない言葉も、イカネさんは正しく受け取ってくれた。



「彼らには、話し合いの余地がありますわ。ねえ、桜陰さん」



「……そうだな」



「ちっ、残念。先輩もそう言うなら仕方ないね」



指揮を止めると、滅びの歌も止まる。

半透明な響の魂も、口から肉体に戻った。



「きみたち、月海と先輩に感謝するんだね」



契約式神に庇われて、青い顔で震える少年たちを見下ろし、ツクヨミノミコトは深いため息をついた。