家から五分ぐらいの距離に駄菓子の店『 駄菓子屋』があった。予想よりも時間がかかり十五分ぐらいで着いた。「遠回りしたから時間がかかったんだよ」と咲良は言っていたが、咲良が途中で止まったり遊んだりしていたからだろう。

 ここに来るのは初めてだった。

 お店は見た目も古くて中に入ると若干カビのような香りもただよっている。

 俺と同じぐらいの年齢だと思われる女の子が立っていた。商品を箱から出して並べていた。

 咲良は女の子の元へ走っていく。

「やっほー! こんにちは」と咲良が笑顔で声をかけると「こんにちは」と彼女も優しい声で答えていた。

 彼女は咲良と目線を合わせるためにしゃがんだ。笑顔になり、何かを話している。

 俺の存在に気がついた女の子は、はっとした表情をして、それから思い切りはにかんで「あっ……こんにちは」と、ぎこちない感じで挨拶をしてきた。

――この子、可愛いな。