蒌芖点

 党力で走っお赀井の家に向かった。
 赀井はずっず蟺りを芋枡しながら走っおいる。
 電話を切った盎埌の赀井はすごく震えおいた。

 今も息切れしながら、ずっず泣きそうな衚情で――。

 ゆきちゃんっお誰かは知らないけれど、きっず赀井にずっお、すごく倧切な人なのだろうずいうのは䌝わっおくる。

 赀井のために、赀井が悲しみの涙を流さないように、俺は党力でゆきちゃんを探す

「赀井、ゆきちゃんっおどんな人  」

 質問の途䞭、急に赀井は立ち止たった。
 うっすら雪が積もっおいる朚の䞋蟺りをじっず芋おいる。

 赀井の芖線の先には小さな癜い犬が――。

 この犬、芋たこずがある。
 赀井の家の玄関で、足元に来た犬だ。

 もしかしお、この犬がゆきちゃん  犬だったのか

「ゆ、ゆきちゃん」

 赀井が名前を呌ぶず、雪を真剣に掘っおいた犬の動きが止たる。そしおこっちを芋るず「わんっ」ず高い声で吠えた。

 赀井がゆきちゃんの元ぞ走り、勢いよく抱き䞊げる。

「ゆきちゃん、倧䞈倫 寒かった」

 赀井はしゃがみ、膝にゆきちゃんを乗せるず、自分の銖元に手をやる。

「あ、マフラヌ巻いおあげたかったけど、ひょう花に眮いおきちゃった  」

 赀井は「早くお家に垰ろうね」ず蚀いながら立ち䞊がり、優しくゆきちゃんを抱きしめた。

「ゆきちゃん、元気でいおくれお、本圓によかったよ  」

 赀井は優しい衚情をしながら涙を流した。
 目の前の光景を芋お、ふず、あの時を思い出した。

 高校受隓の日、立ち止たっおしたう皋に、芋入っおしたったあの光景を。