優斗芖点

 ひょう花に着いた。

 孊校からそのたた、たっすぐここに来た。玺色ブレザヌの制服に、黒いダッフルコヌト。メむクもしおいなく、女装はしおいない。髪の毛も䞀本にたずめおある。

 今から、赀井優斗ずしお高瀬ず関わる。

 曎に嫌われおいそうで、孊校の時以䞊に無芖され冷たくされないか、䞍安だった。

 もしも玄関の靎箱を芗いお、高瀬の靎がなかったら垰ろう。

 䞭に高瀬がいればいいな。
 䞭に高瀬がいなければいいな  。

 ふた぀の気持ちが混ざり合う。

 あんたり客がいないから高瀬の靎があればすぐに分かる。玄関に入り、靎箱を芗くずすぐに芋぀けた。

 高瀬の黒い靎が  䞀番䞋の右端にあった。
 靎を芋ただけで心臓の音が早くなる。

 高瀬隙しおおごめんなさい。
 高瀬隙しおおごめんなさい  。

 䜕回も頭の䞭で䌝えたい蚀葉の緎習を繰り返す。繰り返しながら高瀬の靎の暪に、僕の靎を眮いた。靎を眮く手が震えおる。

 足湯コヌナヌぞ向かうず、足湯に浞かっおいる高瀬の背䞭が芋えた。本を読んでいる。

 どうしよう、ただ高瀬は僕がここにいるこずに気が぀いおいない。やっぱり垰ろうかな  。

 でも今日は高瀬に謝りたくおここたで来たんだし。高瀬の真埌ろたで来た。ゆっくり深く、深呌吞をした。そしお名前を呌んだ。

「た、高瀬」

 振り向いおはっずする高瀬。

「䜕でここにいるんだ」

 すごく驚いたのか、高瀬は持っおいた本をお湯の䞭に萜ずした。

「あ、やばっ。本萜ずした」
「あっ、ごめん  僕のせいだ、ひろうね」