私も彼女に頭を下げた。これには理由があるのだ。 「お願いします、祐子さん」 「どういうこと?研究辞める気はないわよ」 「わかっていますよ。稚奈を社長にします。そして、僕と婚約させてきちんと僕が株を彼女と分け合いますので、一部祐子さんにも買ってもらいますよ」 「ええー!やだよ。お金ない……」 「会社をきちんとしたいのは祐子さんでしょ?先生から頼まれているんじゃないんですか?」 祐子さんは苦笑い。 「ばれたか。もちろん京介君がどうしようもなければ私がなんとかする覚悟でしたよ」