「うーん。まあ、京介さんの場合はちょっと違う気がしないでも……」

「違わない!そこは譲れないよ!」

「はい、はい……」

「僕らはお互い気になる存在で、お付き合いしたい。その気持ちを父にぶつけて同棲を許してもらう」

「そう簡単には……許してもらえないと思います」

「まあ、そこは僕を信用して……さてと、お腹いっぱいになったかな?」

「はい。とても美味しかったです」

「それは良かった。ここの料理長の作る料理は最高だよ。また来ようね、今度はふたりっきりでね」

「ええ?」

 彼はそう言うと私をエスコートして立たせた。神様、許して。今だけはシンデレラの気持ちになりたい。素敵な振り袖を着て変身した私と輝く王子様。私は夢の中へと歩き出した。