エイティーンの契約婚

「美桜じゃん」

舞香ちゃんは隣の3-Bクラスなのでこうしてトイレや廊下で時々会う。

「昨日家に帰ってこなかったよね? どこにいたの? 野宿?? 美桜にお似合いー!」

ぱちぱち拍手される。
いつもの攻撃なのだが……なんだろう、どこか遠くに感じる。

ほのぴが話していたのは、昨日誕生日会をして別れた続きの私。
舞香ちゃんが意地悪しているのも、昨日彼氏を見せつけて見下した続きの私。

私はその後苗字が変わった。家も変わった。
たった一晩で生活ががらっと変わってしまったのに、ここではみんなが知ってる私の続きを演じなければいけないから頭が混乱する。

「えっと、お友達の家にいて」
「お友達って梶原? まぁ別にどこでもいいけどー」

ばしゃ、と蛇口の水をかけられた。

「そのままどっか行って、もう二度と帰ってこないで? あんた本当に邪魔なんだから」

前髪から、ぽたぽたおちる雫。
冷たく突き刺さる舞香ちゃんの視線。

「成人になったんならフーゾクでもパパ活でもなんでもして稼げるよね? 芋でも初めてなら高く売れるらしいし?」

がっとスカートの裾を掴まれ思い切り下に引っ張られる。

「やめっ……」

シャツや下着が露出する。
舞香ちゃんの手を掴んで止めるが、物凄い力。

「こうやってさー、おじさんの前でスカート脱げばいいんだよ? 分かる?」