「二について……一緒に暮らすのでしょうか?」
「そうだね。別居してたら親に怪しまれるし。あ、もちろん部屋は別だから」

クラスメイトと一緒に暮らすだなんてとんでもないことだが、夫婦となればそうも言ってられないのか。

「では……夫婦って、その、そういうの、とかは……」
「そういうのって?」
「……」

そんな言葉、恥ずかしくて口に出せるわけがないよ。

「セックス?」

躊躇いもなく言う彼から、それに対する慣れを感じた。

「……っそ……そう、です……」
「そういうのはナシ! 子供できたりしたら取り返しつかんし」
「こ、こ、こ。子供って……」
「まぁ奥様がご希望されるなら全然相手するけど?」
「するわけないです……! そういうのは好きな人とって決めてるんですから……!」
「へぇ〜真面目なんだね!」
「そ、そんなの当たり前です……! それもちゃんと、契約書に書いてください……!」
「別にへんなことなんてしないよ?」
「だけど、ちゃんと、書いてください……!」

北条君はチョークを手にし、

七.性交渉は一切なし

と付け加えた。