「質問は? 慰謝料の額に異論はない?」
「えっと、一千万円、って……」
「一般的に離婚時には財産分与をして半分を君に渡さなければいけないのだけれど、それは普通の夫婦の話で、1年の契約結婚で財産の半分持ってくのは勘弁してほしい。ただこちらの都合で戸籍を汚すわけだし、それに高校生の1年は大人の1年とまったく価値が違う。そういうことも鑑みてこの金額にしたよ」
一千万が大きな額じゃないみたいな言い方で驚くし、やっぱり私たちみたいな普通の高校生と生きてる世界が違うなと感じる。
だけど18歳にして億を稼いで人を雇っている北条君には支払える能力があるわけだし、契約としての対価は当然……だよね。
戸籍って、それくらい価値あるものだよね……。
お金の大切さは、今日痛いくらい分かった。
後ろ盾がなにもない私がこれからひとりで生きていくために、一円でも多く持っていたい。
じゃないと、また悪い人につけ込まれる……。
「……質問です」
「はい、そこのきみ、どうぞ!」
なに?
急に始まったその先生と生徒みたいなノリは……?
「一に関してですが、なぜ卒業と同時に離婚なのでしょうか?」
「ん? もっと長く一緒にいたい?」
「違います!」
どうしてそうなるの!
いま冗談なんか言ってる場合なの……!?
「えっと、一千万円、って……」
「一般的に離婚時には財産分与をして半分を君に渡さなければいけないのだけれど、それは普通の夫婦の話で、1年の契約結婚で財産の半分持ってくのは勘弁してほしい。ただこちらの都合で戸籍を汚すわけだし、それに高校生の1年は大人の1年とまったく価値が違う。そういうことも鑑みてこの金額にしたよ」
一千万が大きな額じゃないみたいな言い方で驚くし、やっぱり私たちみたいな普通の高校生と生きてる世界が違うなと感じる。
だけど18歳にして億を稼いで人を雇っている北条君には支払える能力があるわけだし、契約としての対価は当然……だよね。
戸籍って、それくらい価値あるものだよね……。
お金の大切さは、今日痛いくらい分かった。
後ろ盾がなにもない私がこれからひとりで生きていくために、一円でも多く持っていたい。
じゃないと、また悪い人につけ込まれる……。
「……質問です」
「はい、そこのきみ、どうぞ!」
なに?
急に始まったその先生と生徒みたいなノリは……?
「一に関してですが、なぜ卒業と同時に離婚なのでしょうか?」
「ん? もっと長く一緒にいたい?」
「違います!」
どうしてそうなるの!
いま冗談なんか言ってる場合なの……!?
