出入り口に人が立っている気配。
「誰……!?」
その人はスマホを取り出し暗闇を照らす。
「……!」
北条君だった。
聞かれた……。
「な、な、何を……してるんですか……?」
「俺? たまにここに忍び込んでぼーっとしたりしてるんだけど」
だから鍵が開いていたのか……。
そうとも知らず悪口を叫びまくってしまった……。
「言わないでください……! お願いします……!」
私は立ち上がってがばっと頭を下げる。
今言ったこと、舞香ちゃん知られたら面倒になる。きっと学校で嫌がらせをされる。
舞香ちゃんは人気者だから、それくらいできる……。
私はもう、これ以上は傷つきたくない……。
「別に言わないけど」
北条君は私の目の前にある机に腰掛け、言った。
「今日言ったこと覚えてる?」
今日――それはまさかあのプロポーズのこと?
私と、契約結婚がしたい、っていう……。
「あれ……冗談……じゃないんですか……?」
「いいや? 本気だよ?」
薄く微笑みながらも私から視線を逸らさない彼の瞳。嘘をついているようには見えないけれど……。
「……契約、なんですよね? どういう内容ですか……!?」
疑問は山ほどある。
冗談か本気なのかも定かではない。
しかし今の私は、今日明日を生きる術を探さなくてはいけなかった。あの家に帰らなくて済む方法があるなら、食いつかなければいけなかった。
「誰……!?」
その人はスマホを取り出し暗闇を照らす。
「……!」
北条君だった。
聞かれた……。
「な、な、何を……してるんですか……?」
「俺? たまにここに忍び込んでぼーっとしたりしてるんだけど」
だから鍵が開いていたのか……。
そうとも知らず悪口を叫びまくってしまった……。
「言わないでください……! お願いします……!」
私は立ち上がってがばっと頭を下げる。
今言ったこと、舞香ちゃん知られたら面倒になる。きっと学校で嫌がらせをされる。
舞香ちゃんは人気者だから、それくらいできる……。
私はもう、これ以上は傷つきたくない……。
「別に言わないけど」
北条君は私の目の前にある机に腰掛け、言った。
「今日言ったこと覚えてる?」
今日――それはまさかあのプロポーズのこと?
私と、契約結婚がしたい、っていう……。
「あれ……冗談……じゃないんですか……?」
「いいや? 本気だよ?」
薄く微笑みながらも私から視線を逸らさない彼の瞳。嘘をついているようには見えないけれど……。
「……契約、なんですよね? どういう内容ですか……!?」
疑問は山ほどある。
冗談か本気なのかも定かではない。
しかし今の私は、今日明日を生きる術を探さなくてはいけなかった。あの家に帰らなくて済む方法があるなら、食いつかなければいけなかった。
