エイティーンの契約婚

あぁ、そうか!?
分かった!

「どこに、どこに……!」

気付いてしまった私は物凄い勢いで周囲を見渡す。

ドッキリだ、これ。
最初の教室から引っ張られていくところからもう仕込みで『スターのプロポーズに慌てふためく陰キャ』を撮影して、バースデー会のネタにするつもりなんだ。

「どこにカメラがありますかっ……!?」

ドッキリに決まってる。
じゃなかったらこんなこと、絶対あり得ない。

もしかしたらyoutubeにアップされたり……!?
生中継されてたり……!?
いやだよ! 一生残っちゃう……!
私は慌てて本棚の前に行き、隙間なく詰められている本の間にカメラが隠されていないかと探す。

「ドッキリじゃないって」

真剣味を帯びた声に、振り向く。

「……!」

いつの間にか真後ろにいる北条君。本棚と本棚の間の狭いスペースで一歩私に踏み込んでくるから追い詰められたみたいになる。

顔がどんどん近くなって、瞳の模様まで見えそうな距離になる。

「君と結婚したい」

真っ直ぐ目を見つめられ、そう言われた。

こんなの、うそにきまってるよ。
なのに、心臓が激しく乱れる。