「あのね、クラスメイトなんだからもう少し分け隔てなく」
「ほのぴ! わ、私はいいから!」
ほのぴの腕を必死で掴んで引っ張ってカタマリから引き離そうとする。
「でも……」
「本当に! いいのっ!」
だって知るはずないよ、私のことなんて誰も。
どうでもいいやつの誕生日なんて祝ってもらえるわけない。
北条君はこの学校で知らない人がいないほどの凄い人で。
私はただの教室すみっこ族で。
クラスメイトだからって同じ扱いであるはずがない。
せっかくのおめでたい空気なのにシラけちゃう。
「ごめんなさい、私のことは気にせずに続けて――!」
揃って訝しげな顔をしている人垣をかき分け、こちらに向かってくる人がいた。
くしゅっと無造作にセットされた黒髪、気だるそうな、それでいて印象的な目、まっすぐ通った鼻筋。綺麗なカタチの唇。
「……」
それは、まさかの北条君本人だった。
我が校のスターが突然目の前に現れて、私を見ている。そんなのフリーズするに決まっている。
「君、今日誕生日なの?」
「……ハイッ?」
がしっと。
腕に得体の知れない圧力がかかった。
その圧力の主が北条君だと認識した時、私はもう物凄い勢いでぐんぐん引っ張られていた。
「ほのぴ! わ、私はいいから!」
ほのぴの腕を必死で掴んで引っ張ってカタマリから引き離そうとする。
「でも……」
「本当に! いいのっ!」
だって知るはずないよ、私のことなんて誰も。
どうでもいいやつの誕生日なんて祝ってもらえるわけない。
北条君はこの学校で知らない人がいないほどの凄い人で。
私はただの教室すみっこ族で。
クラスメイトだからって同じ扱いであるはずがない。
せっかくのおめでたい空気なのにシラけちゃう。
「ごめんなさい、私のことは気にせずに続けて――!」
揃って訝しげな顔をしている人垣をかき分け、こちらに向かってくる人がいた。
くしゅっと無造作にセットされた黒髪、気だるそうな、それでいて印象的な目、まっすぐ通った鼻筋。綺麗なカタチの唇。
「……」
それは、まさかの北条君本人だった。
我が校のスターが突然目の前に現れて、私を見ている。そんなのフリーズするに決まっている。
「君、今日誕生日なの?」
「……ハイッ?」
がしっと。
腕に得体の知れない圧力がかかった。
その圧力の主が北条君だと認識した時、私はもう物凄い勢いでぐんぐん引っ張られていた。
