休みの間、凪岐くんが歌ってくれた曲を、何度も何度も繰り返し聞いた。
そのたびに胸が、とくん、とくんと脈打った。
……楽しかったな、映画もカラオケも。
次はどこに行こうかな、なんて。
凪岐くんとのことで、私の頭の中はいっぱいになっていた。
─────週明け。
今日は月曜日にも関わらず、遅刻することなく学校にたどり着いた。
私、優秀じゃん……!
校門を抜けようと足を踏み出した、その時。
「おはよ」
後ろから声がして振り向くと、そこにはキラキラと輝きを放つ凪岐くんが立っていた。
「お、おはよ」
不意打ちの凪岐くんに、心臓がどきゅんと跳ね上がる。
びびびびっくりした……。
金曜日、放課後一緒に過ごしたことで距離が近付いた気でいたけれど。
凪岐くんって、こんなにかっこよかった……?