これが恋なのかは、わからない。

だけどさっき触れたとき……もっと触ってほしいって、そう思ってしまった。

やっぱりバカなんだな、私って。



肩に触れた凪岐くんの手の力を、脳みそを溶かされた大人っぽい香りを思い出すと、思わず鼻血が垂れそうになる。



……だめだめ、これじゃ私も変態だ。

でもあんなの……続き、してほしくなっちゃうじゃんか。

それに、キスしたらこの気持ちが恋なのか、ただの興味なのかわかるんじゃないかな?



────よし。

こうなったら……!



とあることを心に決めた私が空を見上げると。

忙しない心臓とは裏腹に、雲がのんびりと泳いでいた。