瀬那くんいわく、
『好きな子をずっと見てたら分かる』らしい。



私の〝恋〟の相手が、
──────恋しちゃいけない人。



そのことを知っているのは、結音も。



まぁ、結音には、さすがに、
相手が〝誰か〟までは言ってないけど.........



ていうか、言えることでもない。



〝秘密〟にしなきゃいけないことだからっ。



結音には〝誰か〟言えなくて、
瀬那くんには、相手までバレてるけど。



私の〝恋〟は、
〝ほんの少し秘密の片想い〟だから。



これ以上、広まらないように、
注意しなきゃいけないと強く思った。



そう思っていると.....................



「やっぱ、今日は送る」



瀬那くんのそんな声が聞こえて。



気づけば、右手を握られていた...............