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──────放課後。



「杏里ちゃん、か〜えろっ!」



そう言って、
結音がギュッと抱きついて来た。



〝帰ろ〟と、返事をする前に...............



「............、川島」



うんと低い声で呼ばれた私の名前。



振り返らなくても分かるけど............



「くっ、久門......先生、」



一応振り返りながら名前を呼ぶと。



「悪いけど、俺の手伝いして」



私の目を真っ直ぐみて言う久門先生。



〝何か〟あるんだとは思ったけど。



「............っ、わかり、ました、」



返事だけして、それ以上、
何も聞けないまま、先生に付いて行った。