「............っ、瀬那くん、」
瀬那くんに心配かけまいと、
顔を上げようとしたところで。
「今日は、暗い顔禁止!」
人差し指を立ててそう言うと。
「俺、あれ買ってくるわ」
瀬那くんは、そう言うと。
村主くんに声をかけてから、
〝ビックリーム〟と、書かれた看板の方へ向かった。
「..................、」
瀬那くんが、
元気付けてくれているのが分かるけど。
その優しさが、
ギュッと胸を締め付けるのが分かる。
〝しょーちゃん〟は特別だけど。
瀬那くんの優しさに、
甘えてしまうことに対する抵抗感。
それがある限り、私は、
前に進めないのかな?なんて思っていると。



