「ぅ、いや、考えごとっていうか、
なんて言うか.........なんだろ、うーん、」
杏里ちゃんの〝恋〟のことだから、
勝手に村主くんに話すわけにもいかず。
言葉を詰まらせていると。
「ま、僕も今日1日、考えごとしてたけどね」
村主くんも考えごとを、
していたという事実を伝えられた。
そして...........................
「結音、ちょっと待ってて」
村主くんはそう言って、
私の手を離して、立ち上がると。
台所まで行ってからすぐに戻って来た。
「村主くん?」
不思議に思って名前を呼ぶと。
「もう時間が足りないから、
結音には、やっぱ、伝えさせて」
私の目を見て、
ハッキリとそう言う村主くんの声が聞こえて。



