「まーた、珠洲島先輩のこと見てる」

「いーでしょっ」

「てかさーやっぱり、珠洲島先輩が環って呼んでなんてちょーレアらしいよ!
同学年でも名前で呼べる人少ないらしい!!絶対さくらのこと好きじゃんね〜」

「そんなことないよ、、」


環先輩に、名前で呼んでよって言われたのは
1ヶ月くらい前の話。


いつも通り書庫の片付けをしていると
いつのまにいたのか、入り口には環先輩
なんの脈絡もなく、かわいく首を傾げたまま

「せっかく同じ図書委員なんだし、名前で呼んでよ!さくらちゃんって呼んでもいい?」


大好きな人に、可愛くお願いされたら断る選択肢なんか無いし
すぐにオッケーして、
それから名前で呼び合っている



「環先輩、みんなに優しいからね」

「そうだけどさ〜!!思い伝えないの??」

「うーん、、」

「好きな人には好きって言わなきゃ伝わんないよ〜?」

「みゆきの言葉すごく説得力あるよ、やっぱり経験値が違う」

「どーゆう意味よ、褒めてるの??」

「褒めてる褒めてる」


もー!なんて笑っているみゆきを見ながら
環先輩のことを考える



もう1年早く産まれられたらなって、環先輩のことを好きになってから何回も思った


私が環先輩と会えるのは、1週間にたったの1日だけ


クラスで勉強をしている姿をみることもできないし
お昼ご飯も一緒に食べられない
修学旅行だって、遠足だって一緒に行けない





でも、先輩が大好きなんだ