しんとした、冷たい雰囲気が流れる図書室


物音一つ聞こえない部屋の中で、
静かな寝息を探す一方


先輩のいない図書室にも慣れ始めてしまった




カチャ



「さくらちゃん、おはよう」

「・・・環先輩!」

「図書室ではお静かに」

ふふっといつもの笑顔を見せてくれる環先輩だけど
心なしかほっそりした感じがする


「先輩、どうしたんですか?」


空席になっていた、私の右隣に久しぶりの温もりが戻る


「ちょっとね、体調崩してたの
元々あんまり体強くなくてね、久しぶりに悪くなっちゃった
もう元気になったから心配しないでね」

「そうだったんですね、
元気になって良かったです」

「もー体育祭間に合わないかと思ってドキドキしちゃった、」

「あと2週間くらいですもんね」

「そうなの。なんとか間に合ってほんとに良かった〜、
借り物競争頑張るから見ててね」

「はい!絶対見ます」

「ありがと、
あ!そうだ、連絡先、交換しない?
今回みたいなことあったら大変だしね」

「ぜひ!!交換させて下さい!」

「やったあ〜、
アイコンかわいいね、猫ちゃん?」

「はい、うちで買ってるんです」

「かわいい〜」

猫に向けられたかわいいだと分かってはいても、思わずキュンとしてしまう

「わぁ、すごいこの絵。先輩が書いたんですか、?」

「そー、ちゃちゃっと書いたやつなんだけどねー、綺麗だったから」

「すごい、すごいです!」

「そんなに言われたらはずかしいよ、ありがと」